遺品整理について
遺品整理は遺品が多ければ多いほど、整理をするのに時間も労力も費やします。持ち家であればあまり時間に捉われず、作業を行うこともできますが、これが賃貸物件や借家だとそうはいきません。暮らしていた人が亡くなっても、部屋を明け渡せる状態まで片付けてきれいにしなければなりません。当たり前ですが、その間の毎月の家賃は発生します。時間がかかればかかるほど余計な出費にもなりかねません。
また、持ち家は賃貸物件などに比べ、部屋数が多いのが殆どです。ということは、必然的に物は多いわけです。
1人の長い人生で溜まった思い出の品は、想像をはるかに超える量です。そして、遺品整理はどうしても故人との思い出が蘇り、悲しさや寂しさが溢れてしまい、手が止まってしまうこともあります。
こういった色々な観点から見て、家族でできるところまでは家族でやり、残りはプロの遺品整理業者といった専門家に依頼することをおすすめします。
目次
2.遺品整理を始めるタイミングと時期。それぞれのおすすめケース
2-2.年金の受給停止など役所関連の手続きの後(亡くなってから14日後~)
1.遺品整理業者に依頼した場合にかかる費用の相場
1-1.遺品整理業者に依頼した場合にかかる費用の相場
ここでは、遺品整理業者に依頼したさいに発生する、費用の相場を間取り別にお伝えします。
【間取り】 【作業人数】 【作業時間】 【費用相場】
・1R~1K 1~2名 1~3時間 ¥75.000~
・1DK 2~3名 2~4時間 ¥100.000~
・1LDK 2~4名 2~5時間 ¥135.000~
・2DK 2~5名 2~6時間 ¥150.000~
・2LDK 3~6名 3~8時間 ¥165.000~
・3DK 3~7名 4~10時間 ¥180.000~
・3LDK 4~8名 5~12時間 ¥225.000~
・4LDK以上 4~10名 6~15時間 ¥260.000~
これはあくまでも目安となります。基本的に作業料金は部屋の数と広さで高くなっていきます。
広ければ広いほど作業人数も作業時間も増えるため、料金も高くなります。
1-2.遺品整理作業の料金に含まれる内容の内訳
以下の内容が一般的に遺品整理を行う上で求められる作業内容です。そのため、基本料金の中にこれらのサービスがあらかじめ含まれています。
・作業する際に必要であれば近隣への挨拶
・必要な品と不用品を仕分けする
・不用品の回収と処分
・産業廃棄物、危険物、医療機器など一般ゴミとして回収できない不用品の回収と処分
・貴重品の捜索(依頼主様の合意のもと)
・リサイクル可能な家電や家具、骨董品などの買取査定(査定額から費用を値引き)
・遺品梱包にしようする段ボールの用意
・梱包
・養生
・合同供養(写真や人形など)
・作業後の簡易清掃
1-3.主なオプション作業の内容と費用相場
遺品整理の専門業者には、予め含まれているサービス以外にもオプションサービスの依頼ができるところも多くあります。追加料金はかかりますが、まとめて依頼することで時間や手間が省けるほか、結果的に費用を抑えられたりします。
また、オプション内容や費用は事業者によって異なります。そのため、オプションに関しても依頼する前に見積もりをとってから判断しましょう。
1-4.遺品の供養・お焚き上げの費用の相場
・合同供養・・・0円~10.000円
・自宅(現地)訪問供養・・・25.000円~70.000円
・お焚き上げ(段ボール1箱)・・・3.000円~15.000円
・お焚き上げ(神棚・位牌)・・・30.000円~50.000円
1-5.ハウスクリーニングの費用の相場
ハウスクリーニングの費用はクリーニングを行う個所によって異なるので、事前に見積もりを取って確認してから依頼するようにしてください。
・1R~1K・・・15.000円~
・1DK~2DK・・・25.000円~
・2LDK~3DK・・・40.000円~
・3LDK~4DK・・・60.000円~
・4LDK以上・・・70.000円~要お見積り
・トイレ・・・6.000円~
・浴室・・・10.000円~
・キッチン・・・10.000円~
・エアコンクリーニング・・・8.000円~15.000円
1-6.車やバイクの廃車の手続き代行
車やバイクの廃車手続き代行から、まだ状態がいい車やバイクに関しては買取りもしてくれるところもあります。
・車・自家用車・・・20.000円~
・バイク・・・10.000円~
1-7.特殊清掃の費用の相場
特殊清掃とは、孤独死や事件・事故などで遺体の発見が遅れたため、腐敗臭や体液などで部屋が汚れたりした場合、専門的な薬を用いて清掃を行うことをいいます。また、ゴミ屋敷となった部屋に関しても、長年こびりついた汚れや臭い、害虫の発生がおきてることが多く、一般的な清掃では除去できないため、特殊清掃が必要になることが多くあります。
ここでは、特殊清掃の費用の相場を作業内容別にお伝えしています。
・床清掃・・・33.000円~
・消臭剤・除菌剤の散布・・・10.000円~
・浴室清掃・・・33.000円~
・汚れた畳の撤去(体液、血液付着など)・・・5.000円~/枚
・汚れた建具の撤去(体液、血液付着など)・・・5.000円~/枚
・汚物撤去・・・20.000円~
・害虫駆除・・・12.000円~
・オゾン脱臭・・・35.000円~/日
ここで紹介したのはあくまでも目安の費用です。同じ作業内容でも特殊清掃業者によって相場は変動します。
また、一部屋だけなのか部屋全体なのか、汚れの状態でも費用は異なってきますので、特殊清掃を依頼するさいは数件の業者に相談し、見積書を出してもらって比較した方が良いでしょう。
1-8.その他のオプション
・物置の撤去・・・15.000円~/1つ
・木の伐採・伐根・・・8.000円~/本
・エアコンの取り外し・・・5.000円~
2.遺品整理を始めるタイミングと時期。それぞれのおすすめケース
遺品整理を始める時期に正解はありません。本来、最適なタイミングは「悲しみがある程度癒え、心の整理がついた時」に始めるのが一番ですが、故人が賃貸物件に住んでいた場合や、法的手続きが必要なこともあります。また、後々トラブルにつながらないように、遺品整理は一人で行わず、親族(相続人)が揃っているタイミングで行うのが望ましいでしょう。
ここでは一般的な時期とタイミングについて紹介していきますので、参考にしてみてください。
2-1.葬儀後(亡くなってから7日後~)
遺品整理を始めるのに一番早いタイミングは、葬儀直後です。一般的に葬儀は、亡くなった翌日が通夜、翌々日が葬儀及び、告別式とされています。葬儀直後は、相続人や親族が揃ってるという点からも、遺品整理を始めやすいといえます。
故人が賃貸物件に住んでた場合、死亡後でも毎月の賃料は発生します。また、施設入居していた場合は、施設によっては「死亡後、〇日以内に退去」と決められている所もあるので、事前に確認をとっておくようにしましょう。
しかし、葬儀直後はまだ精神的に遺品整理を始められる状態ではないかと思います。部屋をすぐ明け渡さないといけない、親族(相続人)が海外に住んでるなど急を要する必要がなければ、無理せず別の時期とタイミングで始めても良いでしょう。
【葬儀後の遺品整理がおすすめな例】
・故人が賃貸物件や退去期限が早い施設に入居してた
・孤独死や事故、事件など事情がある
・親族(相続人)が海外など遠方に住んでいるなど
2-2.年金の受給停止など役所関連の手続きの後(亡くなってから14日後~)
まず、年金受給の停止手続き、健康保険等の資格喪失届の提出と保険証の返還、故人が介護保険の被保険者だった場合は保険証の返還、故人が世帯主だった場合は世帯主の変更届の提出を死亡後14日以内にする必要があります。これら諸々の手続きが終わり、ひと段落して時間にも余裕ができたタイミングで、遺品整理を始めるのも良いでしょう。
【手続き後の遺品整理がおすすめな例】
・故人が賃貸物件や退去期限が早い施設に入居してた
・早めに遺言書や相続する財産を把握したい
2-3.四十九日法要の後(亡くなってから四十九日後~)
故人が亡くなって、四十九日目に多くの親族が集まり、執り行われるのが「四十九日法要」です。この四十九日法要をもって、喪に服していた期間は終了とされています。
多くの親族(相続人)が集まることや、諸々の手続きも終わり落ち着いていること。親族で話し合いや、相談し合いながら故人の遺品整理を行ったり、形見分けなどするのに「四十九日法要後」が最適だといわれています。そのため、一般的に「四十九日法要後」をおすすめされるのが多いようです。
【四十九日法要後の遺品整理がおすすめな例】
・諸々の手続きを終え落ち着いてから遺品整理を始めたい
・親族(相続人)が疎遠だったり、海外にすんでいる
・形見分けも一緒に行いたい
2-4.相続税の申告期限前(亡くなってから10か月以内)
相続税の申告と納税は、故人が亡くなってから10か月以内に行わなければならないと法律で定められています。もし、期限を過ぎてしまうと、延滞料などが課せられる可能性があります。どのくらいの相続税がかかるのかは、遺品整理をし、故人の遺産の評価総額を把握しなければなりません。また、査定が必要な不動産は土地の登記簿や権利書などが必要となるため、慌てて探し回ることのないよう、十分な余裕をもって遺品整理を行いましょう。
【相続税の申告前に遺品整理がおすすめな例】
・相続税の申告が必要
・落ち着いて遺品整理を始めるのに気持ちの余裕ができた
2-5.心の整理ができ、気持ちが落ち着いてから
賃貸物件でも、すぐ明け渡さなくてもよい金銭的な余裕や、大家さんや管理会社の了承を得ている場合、持ち家の場合は、急いで遺品整理を行う必要はないかと思います。
大切な人を亡くすということは、言葉では言い表すことのできない深い悲しみ寂しさが心の中を占めます。そんな状態の中で、遺品整理を行っても正常な判断ができないかもしれません。
そのため、心の整理が着いてから遺品整理を行うのも一つの方法だと思います。
ただし、相続税の申告と納付の期限が、相続の開始を知った日から、10か月以内と法律で定められています。10か月を過ぎてしまうと「延滞税」や「無申告加算税」のペナルティが課せられます。
それを避けるためにも、一旦、多めに見積もった財産額を申告・納税します。その後、改めて本来の財産額が確定次第「更正の請求」をすれば、多めに支払った分を還付してもらえます。
「更正の請求」の期限は「相続税の申告期限から5年以内」なので、気持ちを整理するためにも余裕があると思います。
3.遺品整理を専門の業者に依頼。メリットとデメリット
一昔前は遺品整理は家族や親族たちで行っていましたが、最近ではさまざまな理由から、専門の遺品整理業者に依頼する方も増えてきています。
遺品整理業者に依頼すると費用がかかりますし、不安もあるかと思います。
しかし、実際は自分たちだけで行うより費用を抑えられたり、多くのメリットがあるのも事実です。
ここでは、遺品整理業者に依頼するメリットに加えて、デメリットもお伝えしていくので、これから遺品整理を行う方や、遺品整理を業者に依頼しようか迷ってる方の参考になれば幸いです。
3-1.遺品整理を専門の業者に依頼するメリット
・時間の節約になる
人が1人暮らしていた部屋や家。実は皆さんが想像してる遺品の量を実際は、はるかに超える量です。そして相当な時間も費やします。
単に遺品整理といっても、遺品の中から必要なもの、不要なものの仕分けから、ごみの分別、大型ごみの回収に撤去までその作業は多岐にわたります。それらの作業を全て自分たちで行うとなると、遠方に住んでいたり、普段仕事をされている方はそう何度も足を運ぶのは現実的に厳しいでしょう。また、故人が賃貸物件に住んでた場合、遺品整理をして退去手続きをしなければその間も家賃は発生したままです。
遺品整理の専門業者なら、最短ですと数時間で作業を完了することができます。
早く遺品整理をする必要のある場合や、短時間で終えたい方は専門の業者に依頼すると良いでしょう。
・体力的な負担の軽減
遺品整理を業者に依頼する最大のメリットの一つともいえるのが、体力的な負担の軽減です。遺品整理は想像以上にキツい作業で、遺品の中には洗濯機や冷蔵庫といった大型家電や家具も含まれます。また、エレベーターのないアパートなどとなると、運び出すだけでも重労働です。
遺品整理業者に依頼すれば、大型家電や家具の搬出から不用品の回収・運搬まで行ってもらえ、体力的な負担はだいぶ軽減されます。
・精神的な負担の軽減
頭の中では冷静に作業を行うつもりでも、実際は思うようにいかないのが遺品整理です。それは当然で、大切な故人が暮らしてた部屋や家を片付けるのですから、当然故人が愛用していた品や思い出の品、写真などが次々と出てきます。それらに触れるたびに故人との思い出が蘇り寂しさが溢れ、自然と涙がこぼれてくることもあるでしょう。遺品整理は最終的には心の整理にも繋がりますが、作業しているあいだはどうしても精神的な負担も感じてしまいます。遺品整理業者の中には、故人の遺品を大切に丁寧に扱い、家族の気持ちに寄り添う「遺品整理士」という専門の資格をもっているスタッフが在籍している業者もあります。こういった資格をもっているかも業者選びのポイントの一つにすると良いと思います。
・相続や空き家などの専門家に相談できる
業者の中には、デジタル遺品整理、相続についてや空き家対策などに対応できる弁護士といった専門家と連携している業者もあります。
遺品整理だけでなく、その後のことについてもまとめて相談、依頼したい方はそこも業者選びのポイントに入れると良いでしょう。
・遠方からでも依頼できる
遠方に暮らしている方は、立会いが不要の業者への依頼を検討するのも良いでしょう。例えば、自分は東京に住んでいて実家が沖縄だと遺品整理のたびに帰るとなると、移動の時間や往復の交通費がかかります。業者に依頼するより返って高くつくこともあります。
・遺品の供養をしてもらえる
遺品整理をしていると、仏壇や位牌、神棚、人形といった処分する場合は供養をしておきたい遺品も数多く出てきます。最近は多くの遺品整理業者が料金にあらかじめ供養のサービスを組んでます。自分で供養する手間もかからないので、供養しておきたい遺品が見つかった場合は検討するのも良いでしょう。
・遺品の買取りをしてくれる業者もある
遺品整理業者の中には「古物商許可」を持っていて、遺品の買取りが行える、スタッフが在籍している業者もあります。遺品の中には実は価値がある貴重なものがあったりします。業者にその場で価値を見極めてもらい、買取りしてもらえれば、あやまって価値ある遺品を処分せずにすみます。買取りの中には骨董品や趣味のものから、新しめの家電・家具、書籍も買取りの対象となります。
リサイクル料や粗大ごみの手数料がかからないうえ、遺品整理作業の費用から、買取りした分の料金を差し引いてくれる業者も多いので、遺品整理を業者に依頼するときは、買取りもしてもらえるか確認することをおすすめします。
3-2.遺品整理を業者に依頼するデメリット
遺品整理を業者に依頼するメリットをお伝えしてきましたが、メリットばかりではなく、勿論デメリットも存在します。
ここでは、デメリットについてお伝えします。遺品整理業者への依頼を検討するときは、メリットとデメリットの両方を十分に把握した上で、自分たちで遺品整理を行うか、業者に依頼するか決めるようにしましょう。
・自分で行うより費用が高くなりやすい
遺品整理を業者に依頼すると、どうしても費用がかかります。そこが最大のデメリットともいえるかもしれません。
しかし、自分たちで遺品整理を行っても、それなりの費用はかかります。不用品の処分費用や遠方から来るならその分の交通費、場合によっては宿泊費もかかります。また、大型家電や家具を搬出するときにトラックが必要となるので、レンタル料も必要となるでしょう。
自分たちで行うと、作業日数も必要となり時間のコストもかかります。
業者へ依頼すれば、時間的コストと作業に費やす労力は大幅に短縮できますが、その分やはり費用はかかります。
しかし、最終的に依頼した方が結果的に費用が抑えられたということもあります。なので総合的に見て、自分たちで行えるか、業者に依頼した方が良いか、業者へ見積もりをとり、十分に考え検討するようにしましょう。
・心の整理をつける時間がない
業者に遺品整理を依頼すると、短時間で作業を行います。急いで遺品整理を行う必要がない場合は、時間をかけて故人との思い出に寄り添いながら遺品整理を行えますが、賃貸物件だったり、相続の問題があったり、全ての方が時間をかけられるわけではありません。そういった場合は、前もって手を付けてほしくない個所や、一部の作業だけ依頼するなどの方法があります。また、故人が愛用していた品や形見分けしたい品は事前に自分たちで整理しておくのも良いでしょう。
業者の中には、細かい依頼内容でも対応してくれるところもあるので、心の整理をしながら遺品整理を行いたいという方は、柔軟な対応をしてくれる遺品整理業者を選びましょう。
・悪質な業者とトラブルになる
遺品整理業者はどんどん増えている一方で、残念ながら人の悲しみにつけ込む悪質な業者も存在します。実際「法外な請求をされた」「勝手に追加料金を取られた」「大切な品を処分された」「お金を払ったのに作業を開始してくれない」などといったトラブルが発生しています。消費者センターにも多くのこういった相談が寄せられているようです。
悪質な業者に依頼したためにトラブルに巻き込まれた。ということのないよう、「見積りは必ず複数の業者から取る。」「口コミや実績をしっかり確認する」など、注意しながら信頼できる業者を選ぶようにしましょう。
4.失敗しない業者選びのポイント
大切な家族が亡くなると、必ずやらなければならないことの一つが「遺品整理」です。
最近は専門の遺品業者に依頼する方も増えてきていますが、その業者の数も年々増えてきています。
いざ、遺品整理業者に依頼しようと思っても、「どういった業者に依頼すれば良いか分からない」「思い出の詰まった遺品を大切に扱ってくれる業者に依頼したい」など、数多い業者の中から信頼のおける業者を探すのも容易ではありません。
故人の人生の思い出の詰まっている、いわゆる「宝物整理」でもある遺品整理。業者選びは失敗したくないですよね。
ここでは、失敗しない遺品整理業者の選び方のポイントをいくつかお伝えしていきます。
4-1.遺品整理士がいる業者かどうかの確認
遺品整理士とは「一般社団法人 遺品整理士認定協会」が発行する資格を所有する専門の人のことです。遺品整理は専門的なスキルやノウハウを求められ、遺品整理士は一般の人が持っていない、遺品整理に関する法律順守やさまざまな知識に優れています。
この遺品整理士の資格を所有している人物が在籍している業者かどうかは、トラブルを避けるためにも、遺品整理業者を選ぶうえで、重要なポイントの一つともいえるでしょう。
4-2.遺品整理作業をするのに必要な許可を取っているかの確認
遺品整理の作業の中には、許可が必要な作業もあります。作業内容によって必要な許可は次の通りです。これらの許可を取ってるかどうかも遺品整理士の資格同様、確認するのも大切なポイントとなります。
・古物商許可・・・遺品整理業者が遺品の買取りを行うには「古物商許可」が必ず必要となります。逆をいえば、古物商許可を所持していない業者は遺品の買取りができないということです。遺品の買取りの依頼も検討されている方は、この古物商許可を所持してる業者かどうか確認すると良いでしょう。
・一般廃棄物収集運搬許可証・・・この市区町村から与えられる一般廃棄物収集運搬許可証があれば、日常生活の中で家庭から出る廃棄物や不用品を、回収して処分することができます。この許可証がなければ、一般家庭から不用品などを回収し処分することはできません。
ただ、この「一般廃棄物収集運搬許可証」は現在、新規取得を受け付けている自治体はほどんどありません。
しかし、許可証を持っている業者などに委託することは可能ですので、依頼したい遺品整理業者が見つかった場合は、「一般廃棄物収集運搬許可」を持っている業者か、あるいは許可証を持っている業者と連携しているのか確認すると良いでしょう。
・産業廃棄物収集運搬許可・・・一見、一般廃棄物収集運搬許可と似ていますが、産業廃棄物収集運搬許可は都道府県知事から与えられるもので、有効期限があります。どのようなものが産業廃棄物にあたるのか、いくつか例にあげます。
【有害性の物】・・・農薬や廃油
【爆発、引火性のある物】・・・プロパンガスやガソリン
【容積、重量が大きい物】・・・オートバイやピアノ
【その他、一般廃棄物として出せない物】・・・畳やタイヤ、家電リサイクル対象品、消化器、自動車など
4-3.無料見積り及び、現地見積りしてくれるか
悪質な業者でなければ、ほとんどの業者が無料で見積もりをしてくれます。
遺品整理業者の中には、電話やメールでの見積りができるところもありますが、この場合、後々高額な請求をされる恐れがあるので、注意が必要です。
また、遺品整理は「遺品の量」「作業に必要な人数と時間」によって、正確な料金が決まります。どれくらいの量の遺品があるかどうかは、実際現地に行かなければ把握することはできません。
ですから、現地に来て見積りをしてくれるかどうかも、遺品整理の業者を選ぶポイントの一つになるでしょう。現地見積りのさいに気を付けたいのが、業者によっては高い金額で契約させようとしたり、その場で契約をするように促す業者もいるので、そういった業者にも注意が必要です。
4-4.料金の内訳が明確かどうか
料金の内訳が正確かどうかも業者選びの重要なポイントの一つと言えるでしょう。ホームページに「〇〇円から」などと、最低料金しか記載されていない業者は、後から高額な金額を請求される恐れがあるので注意してください。また、見積りでの内訳が明瞭であるかどうかも業者を選ぶときに大切なポイントになります。内訳が曖昧だと、作業後に追加料金を請求されることもあります。
4-5.オプションサービスが充実しているか
遺品整理以外のサービスを行っているかどうかの確認をするのも良いでしょう。遺品整理業者の中には、ハウスクリーニングや特殊清掃などの作業を行えるところもあります。遺品整理以外に、部屋を元の状態に戻してほしい、部屋で孤独死をしたので特殊清掃が必要などといった事があれば、まとめて依頼できる業者を選ぶことをおすすめします。
4-6.遺品に対する扱いが丁寧かどうか
故人にとっても遺族にとっても、大切な遺品ですから業者にも丁寧に扱ってほしいですよね。しかし、残念ながら中にはまるでゴミを捨てるかのように乱雑に作業する業者も少なからず存在するのも事実です。
大切な品を、丁寧にあつかってくれる業者かどうか、ホームページの口コミや実績、会社の情報を確認しましょう。
5.遺品整理を自分で行う手順と方法。失敗しないコツ
「遺品整理」は、人が亡くなると必ずやることになります。遺品の量は、暮らしていた人や、部屋数によっても異なります。例えば、亡くなった方が日頃から不要なものを溜め込まず、片付けをしてた方なら遺品もそこまで多くないでしょう。しかし、物を捨てれない方だったり、掃除や片付けが苦手な方だと遺品の量は多くなります。また、故人が賃貸物件に1人暮らしだった場合も、そこまで量はないかもしれませんが、一軒家だった場合、部屋数が多くなりますので、それだけ大量の遺品の量になることが予想されます。
最近は、遠方に住んでいたり、仕事をしていてゆっくり時間がとれないなどの理由で、遺品整理業者に依頼する方も増えてきていますが、ここでは、時間をかけてもいいから自分の手で行いたいという方のために、業者に依頼せず自分で行うときの手順と方法、そして失敗しないコツをお伝えしていきます。
5-1.遺品整理を自分で行う前にやるべきこと
・遺品整理を行う部屋(お家)を見に行き確認する
まずは、自分で遺品整理を行う現場を見に行き、実際どのような状態か確認することが必要でしょう。自分の目で確認することで、本当に全ての作業を自分だけで行えるか、一部の作業は業者に依頼した方が良いかなど、しっかりした計画を立てることができます。また、部屋で孤独死や事故、事件などで亡くなった場合は、状況次第では特殊清掃が必要となるケースもあります。その場合は、部屋自体に入室することはできないので、迷わず特殊清掃業務も請け負っている、遺品整理業者を探しましょう。
・親族(相続人)に遺品整理を行う旨を連絡する
遺品整理を行なううえでトラブルになりがちなのが、親族間での相続トラブルです。他の相続人に何の連絡もしないまま勝手に遺品整理を始めるのはやめましょう。連絡をするさいは、「いつ」「何時ごろから」「そのような作業方法で」といった、具体的な詳細を伝えるようにします。また、遺品整理は一人で行うには大変な作業ですので、協力してくれそうな親族がいたら、協力をお願いするのも良いでしょう。
・遺品整理を終わらせる期限を決める
遺品整理を始める前に、相続人が複数いる場合、相続人全員に遺品整理を行なうことを伝えなければなりません。相続人と相談しながら遺品整理を始める日にちを決めましょう。また、遺品整理を終わらせる期限を明確に決めることで、より計画的に遺品整理を行なうことができます。賃貸物件の場合は、部屋の片づけが終わり、明け渡すまで家賃が発生してしまうため、ゆっくり作業を行うことは難しいかもしれませんが、くれぐれも無理のない範囲で行いましょう。
5-2.自分で遺品整理を行なう際の服装と必要なもの
遺品整理の作業には色々なものが必要となります。作業を始めてから足りないことに気づき慌てて買いに行くことがないように、事前に必要なものをメモし、あらかじめ準備しておきましょう。
・作業着、マスク、帽子(頭巾など)軍手、室内履き、靴下
遺品整理は長年閉まってあったり、動かしていない家具などを動かす作業もするため、かなりのホコリがたつのでマスクは必須です。何枚か多めに用意しておきましょう。身長より高い場所を片付けるときを考えて、頭を守る帽子や頭巾も被ると良いでしょう。また、作業中は立ったり座ったりとよく動きますので、ストレッチがきいてるような動きやすい服装で尚且つ、通気性が良く、汚れてもいい服装が好ましいです。
手や足をケガから守れるように、必ず手は軍手、足はスリッパなどの室内履きと靴下を履いて作業するようにしてください。
・段ボール、ガムテープ、油性マジックペン
段ボールは仕分けのときに中身を入れるのに一番便利です。あまり大きすぎると持ち運びの時に大変ですし、異なったサイズばかりだと積み上げるのも大変です。段ボールのサイズは2〜3種類にしておきましょう。
ガムテープも必要なアイテムです。手で簡単に切れる種類が手間が省けて良いでしょう。また、仕分けの際に「必要な物」と「不要な物」をガムテープの色で分けてあると、ひと目でどちらか分かるので2種類用意すると便利です。何が入ってるかをガムテープに書いて貼ることもできます。
遺品整理の作業には、段ボールの中身を書く作業が多くあります。そんなとき、便利なのが油性マジックです。最近は、キャップのないマジックも100均などで売られており、そちらがおススメです。用意する時は太文字が書けるタイプの物を選びましょう。
・カッターナイフ、ハサミ、紐や結束バンド
本や雑誌、布団などをまとめるときに紐があると便利です。また、収納ラックなどの固さのある家具等を分解したときにポールを縛るのには結束バンドが役立つので、そちらも用意しておきましょう。カッターナイフとハサミも必要なので、用意しておいた方が良いでしょう。
・ドライバーやペンチなどの工具
これらはベッドや食器棚などといった家具を分解・解体する時に必要になります。自力で分解、解体できる家具はしておくと運び出しが楽になります。また、長年使っている家具は場合によっては金具が錆びて抜くのが困難だったりします。そんなときにペンチがあると便利です。
注意点として、分解や解体をする時は想像以上に大きな音がするので、作業は昼間など明るい時間帯に行うなど近隣に配慮しながら行ないましょう。
・ゴミ袋
遺品整理はいろんな種類のゴミが大量に発生します。自治体の決まりに合わせてゴミ袋を沢山用意しておきましょう。
ゴミ袋のサイズとしては、一般的な45ℓから60ℓ、70ℓといった大きいサイズのゴミ服は布団などを入れたりするのに役立ちます。ゴミ袋は家電などのホコリよけとしても使えます。
・台車
台車は重たい荷物を運び出す時に便利です。
しかし、台車は動かす際にかなり大きな音が出るため、使用する時間帯には気を付けましょう。また、トラブルを避けるためにも事前に近隣に伝えておくこともおすすめします。
5‐3.作業の計画を立てる
遺品整理を行なう前に、事前に計画を立てておけば、スムーズに作業を進めることができます。ここでは、どのように計画を立てると良いか、いくつか方法をお伝えします。
・簡単な間取り図を描く
遺品整理を行なう部屋の間取り図を簡単で構わないので紙に描いてみましょう。間取り図を描いたら、そこに家具や家電などが配置されている場所を描いていきます。部屋数が多ければ多いほど、簡単な間取り図でもどの部屋にどんな家具が配置されているのか、把握できるので作業が楽になりますよ。
・収納の中の物を書き出す
こちらも簡単で構わないので、クローゼットや押し入れの中に何が入ってるか、書き出しておくと後々の作業がスムーズになるのでおすすめです。
例えば、押し入れの上段に衣服、下段に写真やアルバム、といった思い出の品々といった内容で良いでしょう。キッチンや食器棚の戸棚も、乾物類、大鍋類、タッパー類などと書き出しておくのもおすすめです。
・作業する順番を決める
いざ遺品整理を行なおうとしても、どこから手を付けて良いのか分からず、あちこちに手を出した結果、全ての部屋が中途半端になったという話も耳にします。そうならないためにも、事前に作業を行う部屋の順番を決めておきましょう。例えば、「今週はダイニングキッチンを片付ける」「次回はリビングを」と、順番を決めることで、気持ちや作業にもメリハリがつき、仕分けもしやすくスムーズです。
また、数人で作業を行う場合は、相談し合いながら部屋の割り振りをすることをおすすめします。
5‐4.遺品を3つのカテゴリーに仕分けする
ここから、いよいよ実際に作業をしていきます。
まず最初に行う作業は「遺品の仕分け」です。仕分けの作業をスムーズに行うために、遺品を大きく3つのカテゴリーに分けます。以下でカテゴリー別にお伝えしていきます。
①残すもの(貴重品、形見品、思い出深い品)
まず最初に、残すものを選択していきます。相続に必要な書類や現物、思い出の品などがこれにあたります。濡れると破れたり、破損する恐れのある書類や手紙、写真などはクリアファイルやファスナー付きのケースなどに入れて保管するのをおすすめします。
【残すものの例】
・通帳
・クレジットカード
・キャッシュカード
・印鑑
・現金
・有価証券(株式、債権、手形など)
・身分証明書(マイナンバーカード、パスポートなど)
・土地などの権利書関係
・契約書類
・健康保険証
・貴金属
・美術品、骨董品
・手紙
・写真
・故人が生前、大切にしていた物や愛用していた物
・供養したいもの(神棚、仏壇、人形など)
濡れると破れたり、破損する恐れのある書類や手紙、写真などはクリアファイルやファスナー付きのケースなどに入れて保管するのをおすすめします。
②リサイクルできるもの
まだ使えるものは処分するのではなく、活かすことを考えるのも一つの方法です。リサイクルショップやネットオークション、フリマアプリなどに出品したり、寄付する方法もあります。
【リサイクルできるものの例】
・大型家電(テレビ、冷蔵庫、洗濯機、エアコンなど)
・小型家電(電話機、携帯電話、炊飯器、電子レンジ、掃除機など)
・家具(タンス、ソファー、ベッドなど)
・衣類
・金属類(鍋、フライパン、ゴルフクラブなど)
③ゴミとして処分する不用品
まず、ゴミは自治体ごとのルールに従って、「燃えるゴミ」「燃えないゴミ」「粗大ゴミ」など分別していきます。また、ゴミの処分は自治体が指定した場所と日時に従って処分してください。ちなみに、焼却場に問い合わせて直接持っていく方法もあります
【分別の例】※自治体によって異なるので、事前に確認してください
・燃えるゴミ(台所ごみ、紙くず、衣類、ゴム類、食用油など)
・燃えないゴミ(金属、陶器、ガラス、電球、小型家電など)
・資源ゴミ(古紙、びん、缶、ペットボトル、乾電池、カセットボンベなど)
・粗大ゴミ(家具、寝具、自転車など)
ごみを処分する際に気を付けたいのは、回収不可能のごみがあるということです。自治体によっても異なりますが、例えば、エアコン、テレビ、洗濯機(衣類乾燥機含む)、冷蔵庫、これらは家電リサイクル法という法律があるため、自治体で回収はできません。また、土や石膏ボード、タイヤなどは処理困難物にあたるため、ゴミ袋に入れても、ごみ集積場に出すことはできないため、事前に自治体に問い合わせてください。
5‐5.相続人で遺品を分配、形見分けする
遺品整理の仕分け作業が終わったら、残った資産価値のある遺品を相続人で分配していきます。貴金属や骨董品などは現金化して振り分けることを、後々のトラブルを避けるためにもおすすめします。もし、遺言書があれば遺言書の内容通りに遺品を分配する必要があります。資産価値のある遺品は全て相続人全員に必ず伝えてください。
また、資産価値があるものないものに限らず、親族同士で形見分けとして遺品を分けるのも良いでしょう。
【形見分けの例】
・故人が大切にしていたアクセサリー
・衣類
・故人が愛用していたカバンやお茶碗、湯呑など
・時計
・本などの書籍
5‐6.清掃
遺品の片づけ、分配も終えたら最後は清掃作業です。賃貸物件の場合は原状回復する必要があります。
また、賃貸物件の場合は、作業を始める前に事前に解約手続きを済ませておきましょう。
持ち家の場合でも売却するのか、リフォームして新しい家族が住むのか、いずれにしても清掃作業は必要となります。
清掃といってもさまざまでハウスクリーニング業者に依頼する方法もありますが、自分で行う場合はホコリを落としたり、床の拭き掃除など年末にやる大掃除をイメージして作業すると良いでしょう。
すぐに使わない部屋や持ち家の場合は、湿気がこもりカビの発生を抑えるためにも全ての扉は開けておくようにします。押し入れなどの襖は取り外し、壁に立てかけておく。クローゼットやトイレ、お風呂場といった扉は何かの拍子で閉まらないように、ストッパーや新聞紙などを挟んでおくと良いでしょう。
また、家具などを置いたままにする場合には、埃除けとしてカバーをかけておくと後々が楽になります。
5‐7.遺品を供養してもらう
神社や寺院で依頼すれば、お焚き上げしてもらえます。神棚や仏壇といった供養してほしい遺品の他に、一度はごみとして処分しようとしていた遺品の中にも、やっぱり供養してもらいたいと思う品が出てきたりします。
故人の愛用していた品を供養してもらうことにより、遺族が前に進むきっかけに繋がることもあるので、もし心残りがある場合はおすすめです。
ただし、お焚き上げの料金や、お焚き上げが出来ない品はそれぞれの神社、寺院によって違いますので事前に確認が必要です。