「相続について」~遺産相続手続きには期限がある!7日以内から2~3か月以内にすべき手続き

遺産相続と相続税

皆さん、こんにちは。

人が亡くなると、あらゆる手続きをしなくてはならず、その中には遺産相続の手続きも含まれています。

また、手続きにはそれぞれ期限が設けられているものが多く、期限を過ぎてしまうとペナルティが生じてしまうのをご存じでしょうか。

ここでは、やるべき手続きとそれぞれの期限をお伝えしていきます。

相続税について

まずはじめに、相続税は財産を相続した人にかかる税金ですが、必ず相続税がかかるわけではありません。

具体的には借金や葬式費用、非課税のものなどを差し引き、その差し引いた額が基礎控除額を上回った場合、その上回った金額分に相続税がかかります。

①基礎控除とは・・・基礎控除とは相続税の算出に用いられる非課税枠のことで、相続した遺産総額から差し引ける金額のことをいいます。

遺産総額が「基礎控除額」以下の場合は、相続税の申告や納税は不要です。

また基礎控除額は、誰でも使えるので、まずは「基礎控除額がいくらになるか?」計算すると良いでしょう。

②基礎控除額の計算式・・・【3.000万円+600万円×法定相続人の数】

法定相続人が妻と子の2人のケースをみてみましょう。

この場合、【3.000万円+600万円×2(妻と子)】の計算で、基礎控除額は4.200万円となります。

つまり、遺産総額が4.200万円以下なら相続税の申告、納付は不要となります。

一方で、遺産総額が例えば、6.000万円だった場合、

【6.000万円(遺産総額)-4.200万円(基礎控除額)】=1.800万円が相続税の課税対象となるため、申告と納付が必要となります。

また、法定相続人が増えるほど基礎控除額は増え、相続税は減少します。

遺産相続の手続きの流れとその期限

7日以内にすべき手続き

1.死亡診断書を受け取る・・・まず、死亡診断書がないと火葬、埋葬ができません。

死亡診断書は亡くなった病院で発行してもらえます。

死亡診断書は、生命保険の請求やその後の手続きに必要となるので、事前に数枚コピーして保管しておきましょう。

2.死亡届の提出・・・死亡診断書と一体になっており、医師または病院から渡されます。

必要事項に記入したら、市区町村役場に提出します。

死亡届もその後の手続きに必要となるので、数枚コピーしておきましょう。

3.火葬許可証の取得・・・火葬許可申請書を市区町村役場に提出し、火葬許可証を発行してもらいます。

火葬を終えた後に、火葬許可証に火葬済印が押されますが、これが「埋葬許可書」となり墓地などに提出するものとなります。

10日以内にすべき手続き

年金受給の停止手続き・・・国民年金、厚生年金を受給していた場合は「年金受給権者死亡届」を年金事務所または年金相談センターに提出します。

厚生年金は10日以内、国民年金は14日以内となります。

年金受給停止の手続きには「年金証書」「死亡診断書または火葬許可証」「戸籍謄本または除籍謄本」「故人と年金請求者の住民票の写し」が必要となります。

なお、日本年金機構に個人番号「マイナンバー」が収録されていれば、届出を省略できます。

14日以内にすべき手続き

1.健康保険証・介護保険証の返却と資格喪失届の提出・・・国民健康保険や75歳以上の場合は後期高齢者医療被保険者証、介護被保険者証は14日以内に市区町村役場に資格喪失届を提出、保険証を返却する必要があります。

なお、故人が職場の健康保険に加入している場合は、基本的に会社側が手続きを行うので勤務先に連絡し、指示に従ってください。

2.世帯主の変更届の提出・・・故人が世帯主であった場合、世帯主変更届を市区町村役場に提出する必要があります。

ただし、残された世帯員が一人であったり、親権者と15歳未満の子どもである場合は、次の世帯主が明確であるため提出の必要がありません。

3.公共料金や各種サービスの変更、解約の手続き・・・これらの手続きに期限はありませんが、余分な出費を抑えるためにも特に有料なものは早めに解約手続きをおこなった方が良いでしょう。

以下のものは、最低限確認しておくようにしてください。

・公共料金・携帯電話、・サブスク・インターネット回線・ウェブサービス・固定電話・NHK・クレッジットカード・株式・運転免許証・パスポート・ゴルフ会員権など

4.遺族年金の手続き・・・遺族年金の時効は5年で、それまでに手続きを行えば良いのですが、遺族年金の受給決定から受け取りまで4カ月程度かかるので、残されたご家族の今後の生活のためにも、早めの手続きをおすすめします。

5.生命保険の請求手続き・・・こちらも請求期限は3年と余裕がありますが、葬儀代や今後の生活のためにもなるべく早めに手続きをすませた方が良いでしょう。

2~3カ月以内にすべき手続き

1.遺言書の有無の確認・・・遺産分割において遺言書の内容は何より優先され、大きな影響を与えます。

遺言書があればその内容に従って遺産を分けますが、ない場合は相続人全員で分け方を決めなければならないため、早めに遺言書の有無の確認をしてください。

2.遺言書の検認・・・「検認」とは遺言書の存在を確認することです。

公正証書遺言以外の遺言書は家庭裁判所で検認手続きをする必要があります。

家庭裁判所が出席した相続人の前で遺言書を開封し、内容の確認をするものであり、内容が有効か確認するものではありません。

公正証書遺言書は公正役場に原本が保管されており、偽造などの恐れがないため家庭裁判所での検認の必要がありません。

なお、公正証書遺言以外の遺言書を発見した場合は、決して勝手に開封してはいけません。

勝手に開封してしまうと、違法行為となり5万円以下の過料が課せられることがあるので注意しましょう。

ただし、遺言書の内容においては効力がなくなることはありません。

3.相続人の調査・・・遺言書がない場合は、法定相続人全員を把握し、相続人全員で話し合い決めなくてはなりません。

そのためには故人の出生してから、亡くなるまでの戸籍謄本や除籍謄本などを確認する必要があります。

何故なら、稀にではありますが、戸籍謄本などを把握することで相続人が知らなかった、認知している子、前妻との子、養子縁組してる子などが判明することがあるからです。

これらが後から発覚すると全てやり直しすることになるので、相続手続きを行う前に必ず準備しておくことが大切です。

【遺産分割協議の開始】

「誰が」「どの財産を」「どのようにもらうか」を決める話し合いのことを【遺産分割協議】といいます。

遺産分割の方法には「現物分割」「共有分割」「換価分割」「代償分割」の4つがあります。

1.「現物分割」・・これが最も基本的な遺産分割方法とされており、相続財産を現物のまま分配する方法です。

例えば「土地は妻、車は長男、株式は長女」といった分配がこれにあたります。

2. 「共有分割」・・遺産の一部あるいは全てを、複数の相続人で共有する方法です。

例えば、自宅の不動産を長男と次男で1/2の割合で相続するといった分配がこれにあたります。

しかし共有分割は後々、相続人の間で揉めることが多いため、可能であれば避けた方良いでしょう

3. 「換価分割」・・不動産などの財産を売却し、現金化してから相続人の間で分配する方法です。

例えば、子ども2人が相続人で、不動産を4.000万円で売却した場合、2.000万円ずつ分配し、受け取るのが「換価分割」にあたります。

4.「代償分割」・・代償分割とは、特定の相続人が財産を現物で取得する代わりに、他の相続人に代償金を支払うことで調整する遺産分割の方法です。

例えば、2人の兄妹が相続人だった場合、3.000万円の不動産を兄、1.000万円の預貯金を妹が相続したら、2.000万円の大きな差が生じます。

そのような場合に、兄が妹に1.000万円の代償金を支払うことで平等になるということが代償分割の方法です。相続財産が土地、建物など分割しにくい場合、円滑に進めるためにもおすすめです。

以上、今回は「遺産相続」について、7日以内から2~3か月以内に必要な手続きとその方法をお伝えしました。

死亡届などの手続きの仕方などは、葬儀屋の方たちが詳しかったりするので分からないことがあれば、手配してる葬儀屋に聞いてみるのも良いでしょう。

また、大切な人が亡くなった直後は悲しみに暮れていることが多く、精神的な面において手続きなどする余裕がなくなります。

全て自分で行おうとはせず、信頼のおける身内や友人などがいれば、頼っていきましょう。

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