「終活」~生きている間にお墓を決める。生前建墓は相続税がかからないー後編ー

終活

皆さん、こんにちは。

前回は主なお墓の種類3つのうちの「公営霊園」をお伝えしました。

今回は、お墓を決めよう。の後編で残りの2つ、「民営霊園」と「寺院墓地」をお伝えしていきます。

まずはじめに法律上、民間企業が霊園を経営することはできません。「民間霊園」とは、財団・宗教法人や社団法人が経営主体となり、委託された民間企業が管理、運営を行っている霊園のことをいいます。

民営霊園のメリット

設備・サービスが充実している
公営霊園や寺院墓地と比べて、設備・サービスの内容が充実しているのが民営霊園の特徴であり、魅力の一つともいえるでしょう。例として以下のようなものがあります。

・供花や線香も販売してる売店、車いすの貸し出しのサービスがある
・高齢者や車いす、ベビーカーの方が移動しやすいようにバリアフリーとなっている
・水汲み場やお手洗いなどが清潔に保たれている。
・広めの休憩所・駐車場が設けられている
・四季折々の花に囲まれており、明るい雰囲気である

交通の利便性が良い
都心からアクセスしやすく、近年では最寄り駅まで無料の送迎バスを運行している民営霊園も増えてきています。

宗教・宗派が不問
民営霊園は宗教や宗派を問わないので、無宗教の方でもお墓を立てられます。

申し込み条件が少ない
民営霊園は居住場所や墓石の制限、遺骨の有無といった条件は殆どなく、区画に空きがあればいつでも申し込みが可能となっております。
また、経営主体が宗教法人でも、檀家になる必要はありません。

生前の申し込みが可能
遺骨の有無を問いませんので、健康で元気なうちに自分でお墓を選ぶことができます。ご家族達と一緒にいくつか霊園を下見して、皆が納得する霊園を選ぶのも良いでしょう。

墓地の種類が豊富
墓石のデザインに制限がないので、ご予算、好みに合わせて選ぶことができるのも民営霊園の魅力の一つです。ペット埋葬が可能な民営霊園であるので、そのような民営霊園を選べば同じお墓で一緒に眠ることができます。

民営霊園のデメリット

●利用料金が割高
市区町村や自治体が運営している公営霊園に比べて、設備やサービスが充実している分、利用料金や管理費が高い傾向にあります。

●指定石材店制度がある
指定石材店制度とは、建墓権を与えられた石材店のことです。指定石材店がある霊園では、お墓の購入・工事は決められた石材業者にしか頼むことはできません。

●郊外にあることも
大規模な民営霊園の場合は郊外にあることが多く、霊園に向かうのに時間がかかる場合もあります。最近では最寄り駅からの無料送迎バスを運行している民営霊園もあるので、民営霊園を探す際のチェックポイントに入れても良いかもしれません。

●倒産するリスクがある
民営霊園は、公営霊園や寺院墓地と違い民間企業が運営しているため、倒産するリスクもあります。そのため、永続性があるかきちんと確認し見極める必要があります。

寺院墓地とは、お寺の境内に墓地があり、そのお寺が運営・管理している墓地のことをいいます。

寺院墓地のメリット

●お寺ならではの手厚い供養をしてもらえる
寺院墓地でお墓を持つには、一般的にそのお寺の檀家になる必要があります。檀家になることで、手厚い供養をしてもらえることが最大のメリットともいえるでしょう。法要も本堂で執り行えますし、彼岸法要や頼めば読経もしてもらえます。

●供養や法要など、さまざまな相談をしやすく安心感がある
お寺には僧侶がいますので、ご供養や法要の準備から初盆の迎え方など葬儀や仏事に関する相談ができるのは心強いでしょう。お寺によっては法要の時期が近付くとハガキ等で連絡してくれるので、忘れることなく安心できます。

●繁忙期でも優先してもらえる
お寺の一員でもある檀家になると、お盆やお彼岸などといった繁忙期でも優先的に法要を行うことができます。

●立地条件、アクセスが良いところが多い
寺院墓地は地域に密着していて、さまざまなところにお寺があります。生活圏内にお墓があれば、日常的にも無理なくお墓参りすることができます。

●墓地の継承者がいなくなってしまった場合でも、永代供養をしてもらえる
もし子孫がいなくなったり、お墓参りが困難になってしまった場合には永代供養をしてもらえるので安心です。

寺院墓地のデメリット

●檀家になる必要がある
最初にもお伝えしたように、寺院墓地にお墓を持つには檀家に入る必要があります。
異なる宗派の場合は改宗しなくてはなりません。さらに、その寺院の宗派の信徒になるということですので寺院の行事や活動の参加、清掃などの他、寺院の管理や維持、修繕のためのお布施や寄付金を求められることもあります。

●墓石のサイズや形状、デザインに制限がある
寺院でお墓を立てるとき公営や民営霊園と違い、墓石のサイズや形状、デザインが制限されていることが多くあります。石材店も寺院側から指定されることがあるので、合わせて事前に確認しましょう。

●利用料が割高の傾向にある
寺院によって異なりますが、墓地の契約の時に支払う永代供養代や、管理料などが霊園に比べて高い傾向にあります。また、寺院の檀家に入る際には入檀金を納めなければならないこともあります。
入檀金の大体の相場は10万円〜30万円といわれています。

●寺院によって、サービスや運営に差がある
寺院墓地の運営はその寺院が行っているので、寺院や住職によってサービスの質や運営の内容に差があります

以上、二回にわたって、終活でやることのお墓編をお伝えしてきました。

お墓と一言でいっても霊園や墓地によってさまざまな条件やサービスがあります。また、生前建墓は相続税がかからないということが最大の魅力ともいえるでしょう。

ご自分はもちろんのことですが、ご家族の方にとっても良い選択肢が見つかりますように。

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