終活

終活について

はじめに

終活とは?その目的は?

終活とは、「人生の最後に向けて考え、計画的に行う活動」のことを指します。具体的な内容はその人によって異なりますが、残りの人生を充実させ、より自分らしく生きるためという前向きな考えを目的ともしています。

さらに、健康であるうちに自身の望みや希望を明確にし、その後に遺された家族や身の回りの物のための準備をすることで個人や家族のストレスを軽減し、最善のケアや遺産管理を実現させます。

厚生労働省も「人生会議」といった言葉を用いて医療面での自分自身が望むケアを考えることを推奨しており、社会的にも終活は今後さらに注目を浴びていくことでしょう。

終活とは、残りの人生を前向きに、より自分らしく生きるために考えていくことを目的としていますが、「老後資金2.000万円問題」と言われている時代を過ごしていくのは現実問題として厳しいと感じる方も少なくないでしょう。

人それぞれ生活水準は違うとしても、ある程度の資金は確実に必要となります。

いざ、老後を過ごすことになったときに焦らなくても良いために自分の今後の人生、退職後の生活、老後の生活など考えたときが「終活」を始めるタイミングです。

終活をしていくことで、自分の人生設計が明確になるとともに、今後どれくらいの資金が必要になるかも見えてきて、そのためには何をしたら良いかなど考えることができます。

まずは、今あるものが必要な物かそうでないものか、必要でなければ処分することで無駄な出費を抑えることに繋がるかもしれません。

また、今住んでいる家を売却し施設費用にあてたり、管理や運用を任せることで老後も安定した収入を得ることもできます。

自分らしい未来を過ごすためにも計画を立てていくことをおすすめします。

遺品整理・生前整理・不要品回収のことは「遺品整理の住まいる」にお任せください。

1.終活を行うメリット

「終活」と聞くと、「死」「自分の死後」についても考えなければならなく、人によっては不安や恐怖といったマイナスのイメージを持つかもしれません。しかし、前途でも伝えたように「終活」は「残りの人生を充実した生き方にするため」ということを目的ともしています。ここでは「終活」を行うメリットを紹介していきます。

1-1. 人生を振り返ることで気持ちの整理、死に対しての不安解消。

これまでの人生を振り返り、残された人生をどう生きるか、どう生きたいか、チャレンジしたいことや行きたい所など、前向きに考えることで気持ちの整理ができます。また、自身の気持ちの整理が出来たことによって、死に対しての恐怖や不安が解消されたとの声も多く聞かれています。

1-2. 充実した老後生活が過ごせる。

終活を行ううえで人生の最期を考えたとき、老後に必要な明確な資金、自分の資産をどのような形で遺すかといった計画が立てられます。そうすることで老後の不安解消に繋がり、金銭的にもより充実した老後生活が過ごせるようになります。

1-3.家族の負担軽減。

遺された家族は、葬式やお墓の手配、遺品整理などといったさまざまな手続きに 追われます。少しでも家族の負担が軽減されるように、生前から亡くなった後の ご自身の希望や情報を「エンディングノート」に記しておくことをおすすめしま す。

1-4. 遺産相続トラブルを防げる。

4つめのメリットは遺産相続トラブルを防げることです。遺産相続などの金銭トラ ブルはときには訴訟に発展することもあります。終活を通して、そのように分配 するか、相続方法を決め必要であれば遺言書を遺しておけば家族間でのトラブル を防ぐことが出来ます。

2.終活でやること

2-1. 最期を迎えるまでにやりたいことや行きたい所をリストアップする

会社を退職したり子育てを終えたりして、ようやく自由な時間ができても、いざとなったら「何をしたいのか分からない」と「何もせずただ時間だけが過ぎていってしまう」という声も多く聞かれます。せっかくこれから自分の好きな時間を過ごせるようになったのに、これでは勿体ないですよね。充実した楽しい時間を過ごすためにも、退職した後、子育てを終えた後にやりたいことやいきたい所などをリストアップしていると良いでしょう。例えば・・・「海外旅行に行きたい」「勉強をして資格を取りたい」「習い事を始めたい」など、大きな夢や目標じゃなくても日々やってみたいことでも良いと思います。行きたいところや、やりたいことが思い浮かんだ時に書きおこしておくのも良いでしょう。欽ちゃんこと萩本欽一さんも勉強して74歳で大学に合格し入学しました。このように人は幾つになってもチャレンジできます。

2-2. 遺言書の作成

遺産相続のトラブルを防ぐためにも遺言書を残しておくと良いでしょう。法的に有効な遺言書は主に、「自筆証書遺言」と、「公正証書遺言」、「秘密証書遺言」の3種類があります。遺言書は正しい書き方をする必要があるため、遺言書を作成したいと思ったら一度、弁護士といった専門家に相談してみて下さい。

・自筆証書遺言

自分で自筆で遺言書を作成します。基本的には自筆のみですが、民法改正により自筆証書遺言では財産目録のみパソコンの仕様が認められるようになりました。ただし、手書きの遺言書本体と財産目録を作成する用紙は別々にしなければなりません。同じ用紙で作成した場合、無効となるので注意してください。また、全ての財産目録のページに遺言者の署名と押印が必要があり、できれば実印が良いでしょう。自筆証書遺言の場合、利害関係者に遺言書の破棄、隠匿、改ざんされる恐れもあることから、2020年7月からスタートした、自筆証書遺言の保管制度の利用を考えることもおすすめします。※保管場所:法務局(遺言書保管所) 保管期間:原本(遺言者死亡後50年間) 画像データ(同150年間)

・公正証書遺言

公正証書遺言は、公証人によって作成から発行、保管までしてくれる遺言書です。作成する際は、公証人と遺言者の他に2人以上の証人の同席が必要となります。作成に要する時間と費用がかかりますが、公証人という法律の専門家が作成する上に、公正役場で厳重に保管されるので、最も安全といえる方法です。

・秘密証書遺言

秘密証書遺言は自筆証書遺言と違ってパソコンや代筆による作成が可能です。文字通り、遺言書の内容を秘密にしておけますが、2人以上の証人に確認してもらいながら、封をして封印する必要があります。秘密証書遺言書は公正役場で保管してもらいますが、公証人が遺言書の内容を確認することはないので、いざ開封した時に内容に不備があり無効となるケースもあるため、作成するさいには細心の注意が必要となります。

2-3.身の回りの整理、処分

いわゆる断捨離です。遺産整理は量が多ければ多いほど、残された家族にとって時間と金銭的な負担が大きくかかります。家族の負担を軽減させるためにも自分で判断が出来るうちに少しづつ不要なものを処分していきましょう。どうしても捨てられない物は死後にどのようにしてほしいかエンディングノートに記しておくのも良いでしょう。(例えば、譲りたい人の名前を記しておくなど)

2-4. 医療に関しての意思表明

自分に万が一の時があった際、望む医療処置・介護をあらかじめ家族と話し合い意思表明しておくことが大切です。事前に自分の希望や望みを話し合っておくことで家族が医療機関や介護施設に伝えてくれます。(例えば、延命措置は行わないなど)健康保険証や保険証券の保管場所も伝えておくと、意思疎通ができなくなった際も円滑に手続きをすることが出来ます。

2-5. 財産に関する整理と計画

土地といった不動産であれば権利書や登記簿、銀行口座、または株券・保険証券など自分の資産を把握し、書面を作成し一か所にまとめておきます。これらを信頼性のある家族・親族や友人に権限を設定しておくことが重要です。また、負債や借金といった負の遺産も相続の対象となるので忘れずに記入しておきましょう。

2-6. 連絡をとってほしい友人関係のリストアップ

ご自身に万が一のことがあった時、連絡をしてほしい友人や知人の連絡先をあらかじめまとめておくと、家族が連絡をスムーズにすすめることができます。また、友人や知人をリストアップすることで、長年連絡が途絶えていたと旧友と再会し、繋がりを築けることもあります。

2-7. 葬儀について

最近は、「家族葬」や「直葬」などさまざまな葬儀の形があります。

自分の希望や費用を踏まえ、どんなお葬式にしてほしいか、どのくらいの規模にしてほしいか、予め決めてエンディングノートなどに記しておくことで万が一の際でも円滑にすすめることが出来ます。

生前に葬儀の予約をしておく

最近は生前に葬儀の予約をする人も増えてきています。健康なうちにいくつか葬儀社を見て、費用やプランの内容を比較や検討し、自分に合った葬儀を選ぶのも良いでしょう。その際、注意が必要なのは違約金や年会費、解約はできるかなど後々トラブルにならないためにも、事前にしっかり確認をしておくことです。

また、生前予約をしていることを家族が知らずに、別の葬儀社に依頼し行ってしまうことを避けるためにも、生前予約をする時は必ず家族にもその旨を伝えておきましょう。

・生前葬

「生前葬」というフレーズも珍しくなくなりました。生前葬の最大のメリットは自分の葬儀にご自身が参加できるということと、参加してくれた方々に直接お礼や感謝の気持ちを伝えられるということです。また、形式にこだわる必要もなく、内容も自由に決められるので、青春時代に流行った音楽を流しながら皆で踊ったり、ビンゴ大会を開催したりと賑やかな内容にすることも可能です。中には香典などの疑問点や不安点を持つ方もいるので、それらを事前に説明しておくことも大切となります。また、生前葬を行っても亡くなったら納棺や火葬は執り行わなければなりません。その際の葬儀についても決めておき、家族に伝えておくと良いでしょう。

2-8. お墓を決める

最近はお墓の種類も増えており、また、相続税がかからないことから生前建墓といって、前もってお墓を立てる方も増えてきています。ここでは主なお墓の4つの種類と、選ぶときにおさえておきたいポイントを説明します。

・公営霊園

公営墓地は各都道府県や市町村などの地方自治体が運営、管理している霊園のことをいいます。自治体が運営管理しているため、他の霊園と違って閉鎖などのリスクは少ないといわれています。

公営霊園のメリット

・経営が安定している・・・自治体が運営管理しているので、倒産や閉鎖といった

リスクは他の霊園に比べて少ないといえるでしょう。

・使用料が安価が多い・・・

民営霊園、寺院墓地などと比べて、公営霊園は管理料や使用料といった費用が安いといわれています。一般的な年間管理費は「公営霊園:1000円〜」「民営霊園:5000円〜」「寺院墓地:6000円〜」と出ています。

・宗派や宗教の縛りがない・・・

宗派などにかかわらず、宗教の制限がないのは公営霊園の大きなメリットの一つともいえるでしょう。

・お墓を立てるときの石材店が自由に選べる・・・

石材店の指定が多い民営霊園や寺院墓地に比べ、公営霊園はお好きな石材店を自由に選ぶことができます。しかし、霊園によっては既に墓石が決まっている場合もあるので、事前に確認をとると良いでしょう。また、複数の石材店から見積もり(相見積)をもらうことも可能です。

公営霊園のデメリット

申し込み条件に制限がある・・・

公営霊園にお墓を立てる場合、いくつかの条件が定められています。よく見られる条件として、以下のようなものがあります。

・墓地がある自治体に申込者の住所があること(もしくは本籍)

・埋葬、埋蔵されていない遺骨があること

・他の公営霊園にお墓をもっていないこと

・親族に継承者がいること

・3年以内に墓標を設置できること

他にも、生前購入が不可だったり、他の墓地からのお墓の引っ越しが不可などの条件もあります。各公営霊園で条件を確認するようにしましょう。

・申し込み募集に期限がある。抽選になることがある。

多くの公営霊園では、使用申し込み募集に決まった期間しか募集を行っておらず、これは墓地に空きができた時にしか実施されないためです。よって、毎年募集を行うこともあれば、数年に一度、または一定数の返還区画になり次第なため不定期なこともあります。募集期間は自治体のホームページなどで確認ができます。また、公営霊園は使用料などの安さから人気があり、多数の応募になるため抽選になることが多いです。

1区画の面積が広い所が多い

公営霊園は、民営霊園や寺院墓地より1区画の面積が広い傾向にあります。広いと聞くと一見、ゆったりしていて解放感を感じられるなど良いイメージを持つかもしれません。しかし、広いとその分だけ石材費や工事費といった、お墓にかかる費用の総額が高くなります。また、広ければ雑草や掃除など手入れの手間もかかります。民営霊園や寺院墓地の小さい区画の方が総額費用を抑えられることもありますので、先ずは区画の広さや費用は、事前に調べておくことをおすすめします。

・民営霊園

はじめに法律上、民間企業が霊園を経営することはできません。「民間霊園」とは、財団・宗教法人や社団法人が経営主体となり、委託された民間企業が管理、運営を行っている霊園です。

民営霊園のメリット

設備・サービスが充実している

公営霊園や寺院墓地と比べて、設備・サービスの内容が充実しているのが民営霊園の特徴であり、魅力の一つともいえるでしょう。例として以下のようなものがあります。

・供花や線香も販売してる売店、車いすの貸し出しのサービスがある

・高齢者や車いす、ベビーカーの方が移動しやすいようにバリアフリーとなっている

・水汲み場やお手洗いなどが清潔に保たれている。

・広めの休憩所・駐車場が設けられている

・四季折々の花に囲まれており、明るい雰囲気である

交通の利便性が良い

都心からアクセスしやすく、近年では最寄り駅まで無料の送迎バスを運行している民営霊園も増えてきています。

宗教・宗派が不問

民営霊園は宗教や宗派を問わないので、無宗教の方でもお墓を立てられます。

申し込み条件が少ない

民営霊園は居住場所や、墓石の制限、遺骨の有無といった条件は殆どなく、区画に空きがあれば、いつでも申し込みが可能となっております。また、経営主体が宗教法人でも、檀家になる必要はありません。

生前の申し込みが可能

遺骨の有無を問いませんので、健康で元気なうちに自分でお墓を選ぶことができます。ご家族達と一緒にいくつか霊園を下見して、皆が納得する霊園を選ぶのも良いでしょう。

墓地の種類が豊富

墓石のデザインに制限がないので、ご予算、好みに合わせて選ぶことができるのも民営霊園の魅力の一つです。また、ペット埋葬が可能な民営霊園であれば、同じお墓で一緒に眠ることができます。

民営霊園のデメリット

利用料金が割高

市区町村や自治体が運営している公営霊園に比べて、設備やサービスが充実している分、利用料金や管理費が高い傾向にあります。

・指定石材店制度がある

指定石材店制度とは、建墓権を与えられた石材店のことです。指定石材店がある霊園では、お墓の購入・工事は決められた石材業者にしか頼むことはできません。

・郊外にあることも

大規模な民営霊園の場合は郊外にあることが多く、霊園に向かうのに時間がかかる場合もあります。最近では、最寄り駅からの無料送迎バスを運行している民営霊園もあるので、民営霊園を探す際のチェックポイントに入れても良いかもしれません。

・倒産するリスクがある

民営霊園は、公営霊園や寺院墓地と違い民間企業が運営しているため、倒産するリスクもあります。そのため、永続性があるかきちんと確認し、見極める必要があります。

・寺院墓地

寺院墓地とは、お寺の境内に墓地があり、そのお寺が運営・管理している墓地のことをいいます。

寺院墓地のメリット

・お寺ならではの手厚い供養をしてもらえる

寺院墓地でお墓を持つには、一般的にそのお寺の檀家になる必要があります。檀家になることで、手厚い供養をしてもらえることが最大のメリットともいえるでしょう。また、法要を本堂で執り行えますし、彼岸法要や頼めば読経もしてもらえます。

・供養や法要など、さまざまな相談をしやすい。安心感がある

お寺には僧侶がいますので、ご供養や法要の準備から、初盆の迎え方など葬儀や仏事に関する相談ができるのは心強いでしょう。また、お寺によっては法要の時期が近付くとハガキ等で連絡してくれるので、忘れることなく安心できます。

・繁忙期でも優先してもらえる

お寺の一員でもある檀家になると、お盆やお彼岸などといった繁忙期でも優先的に法要を行うことができます。

・立地条件、アクセスが良いところが多い

寺院墓地は、地域に密着していてさまざまなところにお寺があります。生活圏内にお墓があれば、日常的にも無理なくお墓参りすることができます。

・墓地の継承者がいなくなってしまった場合でも、永代供養をしてもらえる

もし子孫がいなくなったり、お墓参りが困難になってしまった場合でも、永代供養をしてもらえるので安心です。

寺院墓地のデメリット

・檀家になる必要がある

最初にもお伝えしたように、寺院墓地にお墓を持つには檀家に入る必要があります。異なる宗派の場合は改宗しなくてはなりません。また、その寺院の宗派の信徒になるということですので、寺院の行事や活動の参加、清掃などの他、寺院の管理や維持、修繕のためのお布施や寄付金を求められることもあります。

・墓石のサイズや形状、デザインに制限がある

寺院でお墓を立てるとき、公営や民営霊園に比べ、墓石のサイズや形状、デザインが制限されていることが多くあります。石材店も寺院側から指定されることがあるので、合わせて事前に確認しましょう。

・利用料が割高の傾向にある

寺院によって異なりますが、墓地の契約の時に支払う永代供養代や、管理料などが霊園に比べて高い傾向にあります。また、寺院の檀家に入る際には入檀金を納めなければならないこともあります。入檀金の大体の相場は10万円〜30万円といわれています。

・寺院によって、サービスや運営に差がある

寺院墓地の運営はその寺院が行っているので、寺院や住職によってサービスの質や運営の内容に差があります。

2-9.エンディングノートを作成する

エンディングノートは「終活」をしていく上で、これまでの人生を振り返り、これからの人生について考え、より自分らしい時間の過ごし方をまとめるのに便利なツールとして、大切で必要なものの一つともいえるでしょう。また、必要な情報や、介護・葬儀に関しての自分の考えや希望をまとめておくのにもエンディングノートは良いと思います。

・エンディングノートは遺言書とは違う

これは結構、勘違いされる方もいますが、エンディングノートには遺言書のような法的効力はありません。なので、財産相続についてエンディングノートに記して

も、必ずその希望が通るとは限りません。誰にどのように相続するかが明確になっているのであれば、遺言書も作成することをおすすめします。

・決まりごとはなく、自分で自由にできる

エンディングノートは記載する項目や、書き方に決まりはありません。自分の書きたいように書いて良いですし、書き残しておきたい項目も自分で自由に決めることができます。また、気軽に書いて何度でも書き直すことができるのも特徴の一つです。自分にとって必要だと思うものはどんどん書いていきましょう。

・ノートは買っても手作りでもOK! 無料配布でもらえることも

エンディングノートは書き方に決まりがないように、ノートにも決まりはありません。

市販のエンディングノートは本屋、文具店、100均やアマゾンなどの通販サイトでも購入することができます。今はさまざまな種類のエンディングノートがあるので、自分に合ったものを選ぶ楽しみもあるかと思います。

また、大学ノートなどに自分の好きな項目だけを書くこともできるので、項目に縛られたくないといった方には自作がおすすめです。

市区町村によっては、役所で無料配布しているところもあるので、一度確認してみるのも良いでしょう。その他、終活に関しての説明会や講演会のモールや会場などで、無料配布していることもあります。

また、手書きである必要はなく、エンディングノートの無料アプリがあるので、ダウンロードしてパソコンで作成することも可能です。

・書く目的に合わせて選ぶ

前途でもお伝えしたように、エンディングノートは自由に書けますし、その種類もさまざまです。何を書き残しておきたいかなど自分の目的に合ったノートを選ぶのも大切です。ここではノートの特徴を目的別に解説してますので、参考にしてくだ

さい。

自分史や履歴が書ける項目が充実した内容のノート

これまでの人生を振り返りたい方や自身の人生を見つめ直してみたい方、子どもや孫たちに自分が歩んできた歴史を伝えたい方におすすめです。ノートによっては、自分史年表が付録として付いてるものもあり、書いていくうちに今後どのように生きていきたいか、本当に好きなこと、やりたい事が見つかることもあるので楽しくなってきますよ。

もしもの時に備え、葬儀や相続に関する項目が充実した内容のノート

万が一、自分が亡くなった時に遺された家族の負担を減らすためにも、葬儀や相続の手続きをスムーズにすすめられるようにしておきたい方におすすめです。また、介護や延命治療などの自分の希望を、意思疎通ができなくなった場合に備え、合わせて記載しておくのも良いでしょう。

銀行口座や保険などの項目が充実した内容のノート

銀行口座やクレジットカードの暗証番号、各種保険や携帯電話の情報などの項目が充実しており、自分にもしもの時、家族が解約手続きなどをスムーズに行うこともできます。また、自分が忘れた時のための備忘録やメモとしても活用できるので、エンディングノートに抵抗を感じやすい若い世代の方にもおすすめです。

メッセージ項目が充実した内容のノート

家族や友人といった大切な人に、自分の想いを伝えたい方におすすめです。この場合は家族の一人ひとりにメッセージを綴ってあげてくださいね。人数が多ければ多いほど時間のかかる作業ですが、普段は面と向かって言えないような言葉も、文字にすることで伝えられますし、書いていくうちに改めて感謝の気持ちや、その人を大切に想う気持ちの再確認ができます。

解説やコラム付きのノート

これは初めてエンディングノートを書く方に特におすすめです。初めてエンディングノートを書く場合、書き方や内容に迷ってしまうかもしれません。解説やコラム付きでしたら、書き方から項目の解説がされてたり、相続や遺言書についての役立つコラムが掲載されているのもあるので、安心して始められるかと思います。また漫画やイラストで解説されているものもあり、楽しく読めますよ。

エンディングノートに書くべき項目と書き方

自分の基本情報

エンディングノートに記載する基本的な項目の一つです。情報を記載しておくことで、自分に万が一のことがあっても、遺された家族が混乱することなく、行政や医療などの手続きを行うことができます。また、誕生してから現在までの自分史や、趣味や思い出といった内面的な情報を書くこともおすすめです。記載例をあげましたので、書く時の参考にしてください。

【記載例】

・氏名           ・自分史

・生年月日         ・学歴、職歴、資格

・現住所          ・趣味、特技

・本籍地          ・性格、信念

・血液型          ・親しい友人や仲間

・家族構成         ・心に残ってる思い出

・家系図          ・好きな食べ物、苦手な食べ物

・運転免許証番号      ・よく行くお店

・健康保険証番号      ・好きな季節や色

・マイナンバーカード    ・好きな音楽や映画、本

・ドナーカードの有無    ・好きな言葉

財産、資産に関しての情報

財産、資産の情報も書いておきたい項目の一つです。所持している財産や資産の内容については、すべて書き記してください。自分が亡くなった後に届出が必要な、預貯金、保険、年金の情報は特に忘れずに書いておきましょう。

また、通帳、印鑑、年金や保険の証書、不動産なら登記簿などの書類の保管場所もあわせて記載しておくと良いでしょう。

ただし、これらを記載する場合は、第三者に知られないようにしなくてはなりません。万が一のときに備えて、内容によってはエンディングノートの有無や保管場所は、信頼のおける家族や親族、友人にだけ伝えておくことをおすすめします。

また、負の遺産(借金など)があれば、必ず記載してください。負の遺産があると分かれば、遺族は「財産放棄」することができます。

【財産・資産の記載例】

・預貯金

・保険や年金

・タンス預金(現金)

・不動産

・有価証券(株式、債権、小切手など)

・貴金属

・骨董品など価値のあるコレクション

・借金

相続・遺言書の有無

エンディングノートは法的効力はありません。なので、相続に関する遺言を遺したいのであれば、法的効力のある遺言書を作成し、エンディングノートには遺言書の有無と保管場所を記載しておくと、遺された家族の間でトラブルがおこることも回避できますし、相続手続きもスムーズになります。

また、遺言書をのこすほどではないとお考えの場合でも、法的効力はないですが、相続に関しての自身の希望は記載できます。ご自身の愛用していた品を形見分けとして「この品は」「誰に」など記載しておくのもおすすめです。

【相続・遺言書の項目の記載例】

・遺言書の有無

・遺言書の保管場所

・遺言書の種類(公正証書遺言、自筆証書遺言、秘密証書遺言)

・形見分け

葬儀・お墓の希望

最近は密葬や家族葬などといった葬儀の選択肢の多様化や、お墓も生前にご自身で選ぶことも一般化されつつあります。遺族が慌てないですむためにも、どのような葬儀にしてほしいか、葬儀とお墓についてご自身の中で明確になっている内容をエンディングノートに記載しておくと良いでしょう。

【葬儀・お墓の希望の記載例】

・信仰している宗教の有無

・葬儀の形式

・遺影に使ってほしい写真

・喪主を務めてほしい人

・訃報の連絡をしてほしい人(併せて連絡先も記入)

・葬儀に参列してほしい人

・希望の葬儀社・斎場

・納骨方法と場所

・お墓についての希望

医療・介護に関しての希望

人間、生きていればいつどうなるか自分自身含め、誰にも分りません。突然の事故や病気、認知症の発症などで自分の希望を伝えられなくなる可能性もあります。どのような治療をしてほしいか、延命治療を望むか、介護が必要になった場合どうしたいか、など元気なうちにエンディングノートに記載しておけば、本人に代わって家族が大きな決断をせず、心の負担も軽減されます。また、終末医療や臓器提供についても希望があれば記載しておくと良いでしょう。

【医療・介護に関しての記載例】

・かかりつけ医と病院の名前と連絡先

・持病・常備薬

・アレルギーの有無

・延命治療を望むか

・終末医療の希望

・臓器提供の有無と希望の部位(眼球は残してほしいなど)

・希望する介護のスタイル

・入居したい(予定)の介護施設

スマホやパソコンのID・パスワード情報

スマートフォンやパソコンのIDやパスワードは、本来は使用している本人しか分かりません。しかし、亡くなった後だと、利用中のSNSやアプリ、サブスクなどを家族に解約手続きをしてもらわなければなりません。エンディングノートにログインする際に、使ってるアドレスやパスワードを、アプリやサイトごとにまとめておきましょう。また、携帯電話本体の解約手続きを行うときの、解約方法も記載しておいてください。

【ID・パスワード情報の記載例】

スマホやパソコンのIDとパスワード

・利用中のSNSとログインのさいに使ってるメールアドレスやパスワード

・利用中のアプリとログインのさいに使ってるメールアドレスやパスワード

・利用・契約中のSNSやアプリなどの解約手続き方法

・携帯電話本体の解約手続き方法

もし、家族にスマホやパソコンの中身を知られたくない。という方は、普段から情報を整理したり、もしくは事前に退会手続きをすませておくと良いでしょう。

ローン、サブスクリプションサービスの情報

車や住宅のローンが残っていたら、支払い情報をエンディングノートに書いておきましょう。また、サブスクリプションサービスなど定期購入しているものの情報も併せて書き残してください。

住宅などのローンの支払いは、あなたが亡くなった後も残高を遺族が支払わなければならないケースが殆どです。後々の遺族間でトラブルに発展しないためにも、残高や支払い方法など細かく記載しておいたほうが良いでしょう。

サブスクリプションサービスといった、毎月定期的に購入しているサービスは、解約手続きをしない限り、永久的に請求されることになってしまいます。そうならないためにも、利用していない定期購入は事前に解約し、亡くなった後に解約してほしいものは、解約手続きに必要な情報をまとめてエンディングノートに書いておきましょう。

【記載例】

・車、住宅ローン・・・残高、毎月の支払金額、引き落とし口座など

・定期購入サービス・・・毎月の支払金額、引き落とし情報、解約手続き情報

 (お水、アマゾンプライム、ネットフィリックスなど)

ペットについて

ペットを飼っている方で、特に一人暮らしの方は、自分が亡くなった後ペットがどうなるか心配に思う方もいるでしょう。

遺族が引き取ってくれれば安心ですが、それが難しい場合は引き取り先を事前に探しておきましょう。それに併せて、ペットの名前や年齢、性格といった情報を書いておくと、引き取り先も安心して受け入れることができます。

【ペットついての情報の記載例】

・名前

・年齢(把握してれば生年月日)

・性別

・性格

・健康状態、病歴

・かかりつけの病院

・ペット保険加入しているかの有無

・好きなペットフード

・好きな遊びやおもちゃ

家族へのメッセージ

エンディングノートの最大の魅力は、書く内容が自由ということです。

死というものは、いつ訪れるか誰にも分かりません。自分の伝えたい思いを伝えきれない可能性もあります。かといって、自分の気持ちや感謝の言葉を面と向かって言うのも恥ずかしいものです。

エンディングノートがあれば、家族を大切に思っていた気持ち、数々の思い出、感謝の気持ちなど素直に伝えられるでしょう。メッセージとともに思い出の写真を貼るのもおすすめです。時間はかかるかもしれませんが、出来れば家族一人ひとりにあてたメッセージを書き記しておくと良いでしょう。文字を書くのが苦手な方は、音声や動画でのメッセージ方法もありますよ。

遺された家族にとって、あなたからのメッセージが何より一番の宝物となりますし、これからの人生を過ごす上での生きる糧にもなることでしょう。ぜひ、残してあげてくださいね。

友人や知人へのメッセージ

家族にあてるのと同じように、親しい友人やお世話になった知人に感謝の気持ちを綴るのもおすすめです。メッセージと一緒に思い出の写真などを貼ると一層、喜ばれると思います。

エンディングノートの注意点

個人情報が満載のエンディングノートの保管は厳重に

エンディングノートには、預貯金額、銀行やクレジットカードの暗証番号や口座番号やパスワード情報など、自身の財産に関わる全ての個人情報が、この一冊に書き記されています。

盗難にあったり不正出金といった、犯罪に合う恐れもありますし、第三者の手に渡り悪用される可能性もあります。万が一のことを考え、保管場所は見つかりにくい場所に、鍵付きの箱や金庫を利用するなどして、厳重に保管しましょう。

ただし、銀行などの貸金庫での保管は、厳重で安全かもしれませんが、金庫を開けるための手続きが大変です。そのため、保管はご自宅が望ましいでしょう。

保管場所はごく一部の信頼おける人にだけ教える

前途でもお伝えしたように、エンディングノートは自身の全ての情報が書き記されています。それと同時に、自身の望みや大切な人へのメッセージも書いています。

そもそも、エンディングノートは自身の死後に見てもらうことを前提に作成したノートなので、見つけてもらわなければ意味がなくなってしまいます。

そのため、信頼のおけるごく一部の家族や友人には、エンディングノートの存在と保管場所を教えておきましょう。

定期的に書き直す

エンディングノートは、一度書いたらそれで終わりというわけではありません。

年を重ねるにつれて、さまざまな状況も変化していきます。特に、健康面や資産面は変化する可能性があります。状況が変化したら、エンディングノートの内容も修正しましょう。エンディングノートは何度でも自由に書き直すことができるのが魅力なので、心境の変化があった場合も、その時の自身の一番素直な気持ちを書き残すのが良いです。「一年に一度、年の始めに」など、見直すタイミングをある程度、決めておくのがおすすめです。

3.老後を支える心強い契約

自分の老後を考えた時に、不安を感じる人も少なくないと思います。ここでは、その不安を少しでも和らげ、より良い老後の生活が送れるための心強い契約をいくつか紹介します。

3-1. 財産管理委任契約

事故や病気によって、心身の状態が思わしくないとき親族や友人など、信頼できる人に自分に代わって財産の管理や病院、福祉サービスなどの利用手続きを行ってもらう契約のことです。銀行口座からお金を引き出す、支払い、介護保険の申請などといったことができます。

3-2.任意後見契約

自身で判断ができるうちに、認知症や精神障害などといった精神上の障害によって、判断力が不十分になった場合に備えて、あらかじめ自分で選んだ人(任意後見人)に生活、療養看護、財産に関する事務手続きなどといった自分の代わりにしてもらいたいことを決めて契約しておきます。法律で公証人が作成する公正証書で締結することが定められています。また、契約内容に関しては法律に反していない限り自由に決めることができます。

3-3. 見守り契約

見守り契約とは、任意後見が始まるまでの間に支援する人が定期的に本人と電話連絡を取る、本人の自宅を訪問して面談することにより、支援する人が本人の健康状態や生活状況を確認することによって、任意後見をスタートさせる時期を判断するための契約です。任意後見は自身の判断力が困難になってから必要となるので、適切なタイミングを見逃さないためにも見守り契約を結んでおくことをおすすめします。

3-4. 死後事務委任契約

死後事務委任契約とは、自身の死後の葬儀や埋葬、行政関係などの必要な事務手続きを生前に委託する契約のことです。葬儀や埋葬の他にも例えば、医療費の支払い、家賃・地代・管理費等の支払いから契約中のサービスの解約などさまざまな手続きをしてもらえます。特に以下の方におすすめです。

・身寄りのない方

・子供のいないご夫婦

・近くに頼れる家族、親族がいない方

・家族に負担や面倒をかけたくないという方

・内縁のご夫婦、カップルの方

・家族、親族と意見の統一が取れていない方

また、弁護士や専門家と契約することで写真や動画といったデジタル遺品も誰にも知られず処分することが出来ます。

3-5. 民事信託について

民事信託とは、信託銀行などのような営利目的ではなく、所有している財産から利益を受ける人(自身)に代わって、家族や親族が財産の管理や運用、処分などを行う財産管理のことをいいます。

例えば、事前に親子間で民事信託の契約を交わしている場合、実家の所有者である親が認知症になり、介護施設への入居が必要になった際、実家を売却し入居費用に充てることが可能となります。

3-6.おひとり様終活のポイントと生前契約

現代社会では生活スタイルも様々で、結婚、出産、離婚などそれぞれ選択も多岐に渡ります。

それに伴いおひとりさまで過ごすケースも増えています。

ただ、年齢を重ねることにより、解決が難しい問題も出てきます。

そんな場合に互助組織(ごじょそしき)等と生前契約を結ぶことで解決可能なことも増えます。

※互助組織とは、会員同士の助け合いを目的としたもので、会社や自治体など多岐にわたってあります。

3-7. ペット(信託契約等)について

特に一人暮らしの方にとっては、家族として一緒に過ごしていたペットが自分の死後、どうなるか心配と不安な気持ちになると思います。日本の法律ではペットに財産を相続させることはできません。

そのためペットの余生を安心して過ごすための施設を運営していたり、新たな飼い主を探してくれたりしているNPO法人など早くから見当をつけて、具体的にどれだけの財産・対価を準備しておくべきか決めておくと良いでしょう。

他にもう一つ「負担付死因贈与契約」という制度があります。贈与する人と、贈与を受ける人との間で、ペットの世話を引き受けることを条件に財産を相続するという合意内容を契約で交わすもので、贈与者の死亡によって効力が発生します。この制度の最大のメリットは、ペットのお世話に強制力と監視力をつけることが出来るという点です。

 

まとめ

自分らしく生きるために

終活とは、残りの人生を前向きに、より自分らしく生きるために考えていくことを目的としていますが、「老後資金2.000万円問題」と言われている時代を過ごしていくのは現実問題として厳しいと感じる方も少なくないでしょう。

人それぞれ生活水準は違うとしても、ある程度の資金は確実に必要となります。

いざ、老後を過ごすことになったときに焦らなくても良いために自分の今後の人生、退職後の生活、老後の生活など考えたときが「終活」を始めるタイミングです。

終活をしていくことで、自分の人生設計が明確になるとともに、今後どれくらいの資金が必要になるかも見えてきて、そのためには何をしたら良いかなど考えることができます。

まずは、今あるものが必要な物かそうでないものか、必要でなければ処分することで無駄な出費を抑えることに繋がるかもしれません。

また、今住んでいる家を売却し施設費用にあてたり、管理や運用を任せることで老後も安定した収入を得ることもできます。

自分らしい未来を過ごすためにも計画を立てていくことをおすすめします。

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